2021/5/26に発表された、2022年第1四半期の決算資料はこちらからどうぞ。
Q1の結果は以下の通りでした。
売上高:$251 million vs コンセンサス予想:$238.31 million ⇒ Beat
EPS:$(0.1) vs コンセンサス予想:$(0.2) ⇒ Beat
ガイダンスは以下の通りでした。
Q2
売上高:$295 – $297 million vs コンセンサス予想:$258.08 million ⇒ Beat
EPS:$(0.36) – $(0.35) vs コンセンサス予想:$(0.11) ⇒ Missed
FY2022
売上高:$1.215 – $1.225 billion vs コンセンサス予想:$1.09 billion ⇒ Beat
EPS:$(1.16) – $(1.13) vs コンセンサス予想:$(0.44) ⇒ Missed
ガイダンスEPSがコンセンサス予想を大きく下回りました。しかし、これは明らかに特殊要因(前回発表されたAuth0の買収の影響?)があると考えられ、ガイダンスEPSは無視した方が良さそうです。
今回のオクタの決算については、広瀬さん(じっちゃま)が問題ないとTwitterでおっしゃっていました。(↓)
オクタ(OKTA)の今後のEPSガイダンスが予想を下回った件、結論から言えば問題ありません。 理由を説明します。
まずオクタは前回の決算発表のとき、オースゼロ(Auth0)を買収しました。良い会社です。
オースゼロを買収することで新たなマーケット(①カスタマー・アイデンティティーに関し、②ウェブ・デベロッパーにまずアプローチし、③海外市場に強い)を手に入れました。
これでオクタとオースゼロを合せて800億ドルの潜在市場に営業攻勢かけることができることになります。2022年度(=今年)の売上予想は12.15~12.25億ドルなのでペネトレーション率は1.53%に過ぎません。
このように将来の伸びしろが大きく、向こう5年に渡り最低でも毎年+35%成長できるわけだから、いまはマーケットシェアをとりにゆく企業戦略が求められるわけです。
さて、オクタは営業部員を使った、顧客企業の経営トップにまずアプローチする営業手法です。オースゼロは現場のウェブ・デベロッパーにまず食い込む営業アプローチです。 後者のほうが成約に至るまでに持ち出しとなる費用比率が大きく、初期売上は小さいです。
くわえて海外顧客は米国内顧客に比べて初期契約金額が小さいです。
これらの要因が、見かけ上、オースゼロの方がオクタに比べ初期顧客リターンが小さいように見える原因であり、この部分をアナリストが予想数字にきちんと織り込んでないため、今後のEPSガイダンスが予想を下回っているように見えるわけです。
売上高ガイダンスを見るとちゃんと上方修正されているし、長期でのフォーワード・ガイダンスも「向こう5年間、最低でも毎年+35%」というとても具体的なターゲットが明示されています。
問題ありません。
引用元:じっちゃま(@hirosetakao)Twitter
ちなみに、過去の決算発表でコンセンサス予想を下回っても、広瀬さんが”大丈夫”と判断したケースについては、以下の記事で、いくつか事例をピックアップしています。
前回の決算はこちらの記事にまとめています(↓)
Memo
Q1 ハイライト
- 売上高:2.51 億ドル(前年比 +37%)
- サブスクリプション:2.40 億ドル(前年比 +38%)
- RPO(サブスクリプションの受注残):18.9 億ドル(前年比 +52%)
- 流動RPO:8.99 億ドル(前年比 +45%)
- 請求額:3.64 億ドル(前年比 +74%)
- Non-GAAP 粗利益:1.96 億ドル(前年比 +38%)
- Non-GAAP グロスマージン:78 %(前年同期:78%)
- Non-GAAP 営業利益:(1,600) 万ドル(前年同期:(1,200) 万ドル)
- Non-GAAP 営業マージン:(6) %(前年同期:(7) %)
- Non-GAAP 純利益:(1,300) 万ドル(前年同期:(700) 万ドル)
- Non-GAAP EPS:(0.10) ドル(前年同期:(0.06) ドル)
- 営業キャッシュフロー:5,600 万ドル(前年比 +44%)
- 営業CFマージン:22 %(前年同期:21%)
- フリーキャッシュフロー:5,300 万ドル(前年比 +77%)
- FCFマージン:21 %(前年同期:16%)
KPI
- 直近12カ月のDBNER:120%(前年同期:121%)
- 直近12カ月の売上高成長率+FCFマージン(Rule of 40):55%(前年同期:54%)
- 顧客数:10,650(前年比 +27%)
- 年間契約額が10万ドル超えの顧客数:2,075(前年比 +31%)
ガイダンス
Q2
- 売上高:2.95 ~ 2.97 億ドル(前年比 +47 ~ 48 %)
- Non-GAAP 営業利益:(5,500) ~ (5,300) 万ドル
- Non-GAAP EPS:(0.36) ~ (0.35) ドル
FY2022
- 売上高:12.15 ~ 12.25 億ドル(前年比 +45 ~ 47 %)(上方修正)
- Non-GAAP 営業利益:(1.72) ~ (1.67) 億ドル(下方修正)
- Non-GAAP EPS:(1.16) ~ (1.13) ドル(下方修正)