じっちゃま推奨銘柄は?【アフターコロナ銘柄】(2021/4/16開催 楽天オンラインセミナー)

じっちゃま

この記事は、楽天証券主催の『【ライブ配信】広瀬隆雄氏「アフターコロナを見据えて!今後の米国市場の見通しを再確認」(4月16日開催)』を基に作成しています。

結論

ポイント
  • 米国株式市場は目先は上昇
  • グロース株にフォーカス
米国株式市場は目先は上昇

米国株式市場については、目先は上を見ている。

次に調整が来るのは秋で、それまでは良い感じ。

グロース株にフォーカス

今後はグロース株にフォーカスしていきたい。

中でもリモートワーク関連株など、足元の業績がしっかりしている銘柄に投資妙味がある。

好業績のグロース株
  • オクタ(OKTA)
  • ズーム・ビデオ(ZM)
  • クラウドストライク(CRWD)
  • ヴィーヴァ・システムズ(VEEV)
  • ズームインフォ(ZI)
  • スクエア(SQ)
  • トゥイリオ(TWLO)
  • ドキュサイン(DOCU)
  • トレードデスク(TTD)
  • ファイバー(FVRR)

これらに加えて、今日紹介する銘柄も良い。

じっちゃま参考銘柄
  • フォームファクタ(FORM)
  • ケイデンス・デザインシステムズ(CDNS)
  • ラティス・セミコンダクター(LSCC)
  • アゼク(AZEK)
  • イエティ(YETI)

じっちゃまから見た米国経済の現況

新型コロナワクチン接種で各国の足並みに乱れ

米国GDPは今年6.4%成長、EUは4.4%、日本は3.3%

来年は今年より減速=手の付けられないインフレになるリスクは低い

海外旅行はできないので、航空・ホテル・クルーズの完全回復は望み薄

長期金利上昇は一巡

出典:楽天オンラインセミナー プレゼン資料

新型コロナワクチン接種で各国の足並みに乱れ

ワクチン接種状況は経済再開に大きなインパクトを与えるため重要!

アメリカEU日本
現在までのワクチン接種回数1.98億回1.04億回179万回
1回以上接種した国民の割合37.9%16.5%0.9%
1日あたりの接種回数334万回241万回4万回

ワクチン接種は経済再開と密接な関係があり、接種の遅れは経済成長の遅れを意味する。
つまり、ワクチン接種スピードの差が各国経済の足並みの乱れを起こしている。

今、問題なく打てるワクチンは、ファイザーとバイオンテックの開発したワクチンとモデルナの開発したワクチンの2つ。
この2社で、7月ぐらいまでにバイデン政権に対して6億回分のワクチンが納品できると言われている。

これらのワクチンは、1人当たり2回摂取する必要があるので、6億回分=3億人分。
アメリカの国民は約3億人のため、7月までにだいたい国民全員分のワクチンが打てる。
つまり、机上の計算では、7月ごろにはアメリカで集団免疫が成立するということ。
仮に集団免疫が成立しなかったとしても、インフルのように毎年ワクチン接種すればよい。

副作用に関しては、すでに1.98億回ワクチンが打たれているが、ファイザーやモデルナのワクチンについてはSNS等で特に問題があるという情報は入ってきていない。

株式市場でのこれらの銘柄のパフォーマンスを見ると、バイオンテック(BNTX)は新高値を更新してきている。
背景には、J&Jやアストラゼネカが無料でワクチンをばら撒くと、ファイザー&バイオンテックのマーケットが狭くなるというリスクが後退したことがある。
つまり、獲得可能市場が今広がっている。
ファイザーの株価も、ずっと鳴かず飛ばずだったが、ここにきてしっかりしている。

ワクチンについて、世界はファイザー&バイオンテックとモデルナの2つに依存することになる。
これまではどちらの会社も良いペースで増産できている。
今後、このペースでどれだけ増産できるかが問題になると思う。

ワクチン接種の遅れが各国の経済成長に与える影響

国際通貨基金(IMF)は今年のアメリカのGDP成長率を6.4%と予想している。
EU圏は4.4%、日本は3.3%成長の予想。

しかし、EU圏やその他地域でのワクチン接種が、当初考えられていたより遅れるので、それがGDPに与える影響はマイナスだと思う。
春の世銀総会に先立って、IMFは世界経済のGDP成長予想を上方修正したが、次に行われることは下方修正だと思う。

これが金利の面で意味することは、米国経済の過熱から手の付けられないようなインフレが起きるリスクは段々後退しているということ。

それから、海外旅行が再開する見通しはかなり絶望的になっている。
なので、クルーズ船、航空会社、ホテルのようなリア充銘柄は、すこし考え方を修正する必要がある。
期待値を下げて、目線を下げて、下方修正する必要がある。

アメリカ経済の現況

アメリカの失業率
アメリカの失業率 (出典:FRED

アメリカの失業率は、ものすごい勢いで急増し、そして急回復してきている。

過去のリセッションの時の山と比較すると、急に上がって、急に下がっている。
つまり、不景気は一瞬だった。
これが意味することは、通常は4~10年掛けて繰り広げられる景気サイクルが、今回は1年で完了してしまったということ。

FRBメンバーによるGDP予想

FOMCではFRBメンバーによる今後のGDP予想のアンケートが採られた。(上図)

今年は6.5%の成長予想。
来年は3.3%に下がり、再来年は2.2%下がる。

今年は瞬間風速ですごく景気が良くなる。
そして、たぶん今(4月)が変化率でいうと、1番アメリカのGDPが元気が良い瞬間だと思う。
ここからは段々景気はスローダウンしていく。

株式市場のジンクスとしては、
・景気拡大局面の前半は、素材株・工業株・市況株のパフォーマンスが良い
・景気拡大局面の後半は、上記景気敏感株はアンダーパフォームする
ということが知られている。

今が景気拡大の折り返し点に来ているのかもしれない。
そうであれば、これからは景気敏感株は避けた方が良いと考えている。

今日じっちゃまが伝えたいメッセージは、
なぜ、グロース株を推奨するのか、あるいは医薬品株のようなディフェンシブなセクターが良いと考えるのかという理由はここにあるということ。

長期金利上昇は一巡

米国10年債利回り (出典:TradingView

年初からアメリカの長期金利はスルスルと上昇していた。
実際、今年の年初来の長期債のマーケットは、久しぶりに見る大きなベアマーケットだった。
つまり、長期債が売られるマーケットだった。

しかし、その長期金利の上昇も一巡している感がある。

これはグロース株にとっては、ホッとひと息つける状況。
別の言い方をすれば、今年の相場は、グロース株に対してものすごくアゲインストの風が吹いていたが、そのアゲインストの風が少し止んだというのが今の状況。
そして、今後もマイルドな金利上昇に留まると考えている。

アフターコロナを見据えたじっちゃまの投資ストラテジー

来年以降のGDP成長鈍化で収益成長にプレミアムが付く

長期金利上昇一巡でグロース株への見直しが入る

出典:楽天オンラインセミナー プレゼン資料

来年以降のGDP成長率が鈍化するため、成長がない環境の中では、その環境下で成長できるグロース株への見直し買いが入ると考えている。

じっちゃま参考銘柄

フォームファクタ(FORM)

半導体ウエハー検査・測定 アドバンスト・プローブカード

市場規模19億ドル、年間+6%で成長している

売上トレンドはシクリカル、マージンはやや低い、顧客の発注にすぐに応える必要がある関係で売上、マージンは変動しやすい

コンソリデーターとして他社の製品(アドバンテスト、カスケード、FRT、HPDなどの製品群)を買収

2012年の市場占有率20% → 目標36%へ = 年間売上高8.5億ドル

出典:楽天オンラインセミナー プレゼン資料

フォームファクタは半導体製造装置のグループに分類される企業。

半導体製造の市場は、大きく分けて、フロントエンド(前工程)とバックエンド(後工程)の2つに分類される。
フォームファクタはその中間に位置する小さいセグメント。

具体的にやっている仕事は、半導体ウエハーの検査と測定。
プローブカードというものを作っており、これはウエハーが目論見通りにきちんとした品質で製造できているかどうかをチェックするための検査装置。

2つのグループのはざまにあり、通常はあまりフォーカスされない、後回しにされること多い、忘れ去られた銘柄である場合が多い。
今日紹介する半導体関連銘柄3つは、いずれも半導体と聞いて最初にイメージされる銘柄ではない、遅れている銘柄ばっかりを選んでいる。

これには理由がある。
今、半導体セクターは非常に好況。
リーダー銘柄はすでに先駆けている。エヌビディアや台湾セミコンダクターなどは良い投資対象。
しかし、『しまったな、出遅れてしまったな』と思っている投資家も多いと思う。
そうなのであれば、株価的にも出遅れていて、バリュエーションもそれほど高くない、無理しなくても買える銘柄という切り口で銘柄を選んだ。

プローブカードは客先から注文が入ってから納品するまでのリードタイムが短い。
つまり、大口顧客(インテルなど)の言いなりのビジネス。

財務的には、収益のビジビリティ(見通しの立てやすさ)が低い。
売上高は好況時には一気に跳ね上がり、そして、急にストップするというような、売上高が団子になりやすいという問題もある。

さらに言えば、高価な半導体製造装置を納品するASMLやAMAT、ラムリサーチは寡占状態の中で、殿様商売的な商売のつくり方ができている。
大きな機器をポーンと納めて、たっぷりマージンをもらって、あとはふんぞり返っているというような商売ができる。
しかし、フォームファクタはそうはいかない。
だから、マージンもやや低い。
しかも、顧客の注文も急に増えたり減ったりするので、自社の利幅の確保が非常に難しい。

この株がなぜ比較的割安に放置されているのかというと、上述したことが1つの要因。

しかし、このような要求度の高い、貧乏くじのようなセグメントの中では、フォームファクタはコンソリデーターとしてマーケットシェアを伸ばしている。

2020年実績会社目標
売上高6.94億ドル8.5億ドル
Non-GAAP グロスマージン45.5%47.0%
Non-GAAP 営業マージン19.4%22.0%
Non-GAAP EPS$ 1.49$ 2.00
フリーキャッシュフロー1.15億ドル1.6億ドル
出典:フォームファクタ

この会社目標はアグレッシブで、達成できるかどうかはわからない。
でも、達成できたとしたら非常に割安な銘柄。

ケイデンス・デザインシステムズ(CDNS)

半導体回路設計ソフトウェア(EDA)

機械学習、自動運転車、ハイパースケール・コンピューティング、5G、IoTなどで演算量は激増もムーアの法則には限界、パフォーマンスの伸長が追いつけなくなりつつある
=EDAとシステム・デザイン、AIを統合することによりスケール
→インテリジェント・システム・デザイン

システム・デザインが売上高に占めるシェアが増えている
=システム・デザインの方がマージンが良い、投資回収しやすい

出典:楽天オンラインセミナー プレゼン資料

ケイデンスは半導体の回路のデザインをする際のソフトウェア(EDA)を提供している会社。

この分野はシノプシスとケイデンスの2強。
プレーヤーの数が限られているので、あまり勢力図に大きな変化が起きない、拮抗した状況。
強いて言えば、ケイデンスがややシェアを伸ばしている。

ケイデンスの売上構成(2020年4Q)
  • デジタルIC回路設計:31%
  • カスタムICデザイン:26%
  • 機能ベリフィケーション:19%
  • システムデザイン:11%
  • IP:13%

ラティス・セミコンダクター(LSCC)

フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)デザイン会社

最も消費電力が少なくダイサイズが小さい
=車載、5G、工業向け

車載半導体不足の問題には直面していない
=社内在庫多めに

ライバル(アルテラ、ザイリンクス)は苦戦

新製品「ネクサス」シリーズが伸びている

消費者向けはハイエンド・オーディオなどライフサイクルの長い分野にシフト

エンベッデッド・ビジョンなどの機能を盛り込む

出典:楽天オンラインセミナー プレゼン資料

この会社はFPGAと呼ばれる半導体を使っている会社。
FPGAとは、例えば、何も記録していない状態のCDみたいなイメージ。

FPGA(英: field-programmable gate array)は、製造後に購入者や設計者が構成を設定できる集積回路であり、広義にはPLD(プログラマブルロジックデバイス)の一種である。現場でプログラム可能なゲートアレイであることから、このように呼ばれている。

出典:Wikipedia

回路(ハードウェア)ではなく、ソフトウェアでその半導体が果たす役割を規定するというのがFPGAと呼ばれるもの。

なぜ、ハードウェアではなく、ソフトウェアにこれをやらせるのかというと、それは Time-to-Market。
つまり、ある新製品のデザインを着想してから、実際に製品化して市場に出すまでの時間を短縮するためには、デザインにあまり時間をかけておくことはできない。
回路をデザインするのはすごく時間がかかるが、その半導体の機能をソフトウェアで定義してやれば時間短縮できる。
このような開発の時間短縮の視点から使われるのがFPGA。

FPGAの市場は2社大きなプレーヤーがいる。(アルテラとザイリンクス)
アルテラはインテルに買収された。
ザイリンクスはAMDに買収されることが発表された。
ラティス・セミコンダクターだけが独立企業として残っている。
FPGAの世界では、ラティスは随分後ろの方を走っている3番手銘柄という認識。

半導体の大きさをダイサイズと呼ぶ。FPGAは通常ダイサイズが大きい。
例えば、電子機器の箱を開けて緑色の基板の中を見ると、その中で1番大きいのはおそらくFPGA。
FPGAは面積や消費電力の効率に頓着せず、とにかく速いチップにしたい、だから思いっきり微細加工で線幅を細くして、その代わり、白紙の状態のチップを大量に作ってやろうという力学の働きやすい商品分野。

アルテラとザイリンクスが両雄という形でリーダーシップをとり、ファウンドリーに対して大きなボリュームで発注する。
ファウンドリーの立場からすれば、同じデザインで大量発注してくれるので、じっくり腰を据えて歩留まり向上に取り組みやすい商品分野がFPGA。
その関係で、プロセスドライバー(線幅微細加工の限界に挑戦するときにその切り込み隊長役になる重要なチップ)のうちの1つはGPU、もう一つはFPGAで勝負するかといった形で戦いになる。

アルテラもザイリンクスもファウンドリーを巻き込んで大きな金額のバトルをしている。
ラティス・セミコンダクターはその戦いの中に入っていけなかった。

そのため、ラティスは違う価値提案をしている。
ラティスのFPGAは、ダイサイズが小さく、消費電力も小さい。
だから、車載用や5Gに向いているというような勝負の仕方をしている。

今、たまたま世界で車載半導体不足が起きている。
自動車向け半導体はホットなエリアになっている。
ラティスの場合、十分な在庫を多めに確保していたので、車載向けの供給に不足はない。
そのため、今、ラティスがチヤホヤされている(引き合いが強い)。

アゼク(AZEK)

アウトドア・デッキ、ポーチ向け塩化ビニル・木材複合材メーカー

美しく、ローメンテナンス、カテゴリー・リーダー

リサイクルされた原料を使用=自社工場

長期のトレンドとしてフォローの風が吹いている
=デッキなどのアウトドア・スペースを好むマイホームの買い手が増えている

出典:楽天オンラインセミナー プレゼン資料

アゼクは木材の周りにPVCのコーティングがされた建材を作っているメーカー。

なぜこのセグメントが人気になっているかというと、在宅ワーク中に狭い家では不便だったので、郊外の庭のある大きな家に住みたいと夢を見る人が増えたから。

アゼクの場合は、リサイクルされた原料を使用しており、自社工場を持っている。
アゼクはESGに非常に力を入れている会社。

売上高、修正EBITDA、修正EBITDAマージン、いずれも良い感じで増えている。

競合にトレックスという会社がある。
ブランドでいえば、トレックスの方が人気のあるブランドを1つ売っている。

しかし、アゼクはマルチブランド戦略を展開しているので、No.2やNo.3などその他多数のブランドを展開している。
なので、アウトドア建材の分野では、総合点でいえば、アゼクとトレックスはほぼ同じぐらい。

イエティ(YETI)

アウトドア向けの堅牢なクーラーとドリンクウェアのブランド

釣り、狩猟、バーベキュー、スポーツなどの活動向け

米国東南部、中西部を中心とした支持

売上高の58%がドリンクウェア、残りがアウトドア・グッズ

売上高約10億ドル(前年比+19%)、ネット通販+50%

修正営業利益2.24憶ドル、修正営業マージン20.5%

海外売上高6%のみ

卸レベルでの在庫が少なすぎる

出典:楽天オンラインセミナー プレゼン資料

イエティはアウトドア向けのクーラーボックスを作っている会社。

元々はプロ向け、ハンター向けの丈夫な製品だった。
飾りとかは一切なくしたデザイン。
一見するとダサいデザイン。

なぜ人気になったかというと、そのめっちゃダサい、質実剛健さがカッコいいということでブレイクした。

イエティのブランドのイメージは、ピックアップトラックから落ちても壊れない、非常に頑丈な製品。
その信頼性、丈夫さがイエティのブランドのコアなイメージとなっている。
だからオーセンティック(本物)なブランドと言われている。

そこから派生してコーヒーマグやポットなどの商品展開を始めた。
クーラーがルーツというのが非常にワイルドで質実剛健なオーラを出している。
こういった派生製品が今とても人気になっている。

まだ全米に展開できていない。
今、東南部以外の地域に広がり始めている。
まだイエティというブランドは、米国内のストーリーでインターナショナルではない。
逆に言えば、将来、インターナショナルに展開する余地は残っている。
これがこの銘柄の特徴。

イエティの問題点は、人気や需要ではない。
何が問題かというと、あまりにも人気過ぎて生産が追い付かないこと。

質疑応答

FPGAについて

新製品を出す時、新製品発売までの期日がものすごくタイトなので、FPGAでとりあえず商品をデザインして発売する。

その製品が目論見通り売れ筋商品として売れた場合、そのデザインの商品が売れることがわかった時点で、すぐにFPGAをやめて、回路を焼き直して、ダイサイズの小さい、コストの安い部品に置き換える。
=FPGAの役目は終わる

FPGAはあくまで最先端の、最新鋭の製品で、まだ売れるかどうかもわからない製品で活躍する。

FPGAがものすごく引き合いが多いという状況は、シリコンバレーでいろんな製品のデザイン・アクティビティが活発で、今後エキサイティングな新製品が次々と出てくるような状況。
つまり、このアクティビティの1つのゲージ(チェック項目)がFPGA。